『後藤は思う』 Vol.4 2008年7月
「温暖化効果ガス(GHG)削減について」  その1 
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 洞爺湖サミットも終わって、その評価について喧しい。当局者は大変な成果というし、批判派は時間の無駄だったという。そこに割ってはいろうという気もないが、ひとつ明らかなことは、少なくも世界の政治トップの中で温暖化に疑問を呈する議論はもはや全くなくなっているということである。
  ところが、日本では未だに「経済誌」等で、温暖化に疑問を呈する科学者と称する人々の記事が結構な位置を占めて掲載されている。そうしたことにより、かなりの地位にいる政治家や経済人等が惑わされ妄言を吐いていることこそ大問題なのである。
「科学的知見」「政治的決断」の違いが全く理解されていない、世界の非常識といってよい。

  “Science”がオックスフォード辞典に初出したのは1794年とのことである。その科学はこの時期に、仮説と検証のループをまわすという「科学の方法」として確立し、それまでの自然哲学(natural philosophy)から離陸し万人の知として始まった。-------科学は仮説と検証のループをまわし、「仮説が偽ではない」を実証しているが、「仮説が真である」ことは実証できない。すなわち、科学には「真の仮説」は存在しないで、「これまでのところ偽でない仮設」が存在するだけである。
(以上は、『暴走する科学技術文明』市川惇信より)

 IPCC第4次レポートは、温暖化は90%以上の確率で人為起源であることを報告した。従って、科学的には人為起源ではない確率についても認めているわけで、科学界や「科学誌」等で今後とも論争が続くことは当然であるし、期待されている。未来のことは証明のしようがないが、温暖化が人為起源という仮説について科学的知見を積み上げてきているのである。

 世界は気候変動枠組条約締約国バリ会議(2007年12月COP13)で、IPCC第4次レポートに応えて(responding)、バリ・アクションプランを採択した。第3次レポートまでは参考(noting)していたものであるが、世界はその人為起源説を受け入れ、温暖化対策、気候変動に対応しようとする政治的決断をしたのである。

 人為起源ということを受け入れた以上、現在の社会・経済システムを変更せざるを得ないのは必定で、現在の延長線(BAU, Business as Usual)はありえない。
欧州は、これこそ絶好のチャンスとみてか、さまざまなポリシーミックスでエコ・テクノロジーの開発支援をし、世界を席巻することを堂々と述べ立てているのである。

 日本の識者よ!! 「経済誌」等が温暖化に疑問を呈する科学者(私から見て「科学者」とはおもえないが)を取り上げている非常識さに早く気がつこう。
私は、GHGフリーの新しいビジネスモデルを早く打ち立てて、着実に先行する企業のみがサバイバル、発展するものと確信している。

後藤敏彦
環境監査研究会代表幹事
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