メコン便り -1-
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安田由美子
Local Livelihoods and Sustainable Resource Use Coordinator.
Living Mekong Programme
WWF Greater Mekong Programe

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後藤敏彦です。
 旧知の安田氏が現在WWF Greater Mekong Programeのコーディネーターとして活躍しています。
2008年4月に一時帰国されたとき「メコン便り」を数回ボランティアで書いていただくことをお願いしました。
 気候変動枠組条約バリ行動計画では途上国に対して先進国は途上国の取組に対して、財政・技術・キャパシティビルディングの面での支援が述べられています。実現は政府・企業・CSOのパートナーシップ事業により進められることになると思われ、日本企業にも関係が深いメコン流域のことを伝えてもらいと考えたからです。今回は、その第一回で、以後は間隔不定期で数回お願いしていますのでご期待ください。
 また、同氏は2008年9/7.9/14.9/21の3回にわたり、日経日曜日夕刊の「サイエンス」欄に「ネーチャー・クライシス」に「失われる多様性」を寄稿しておられます。
 ご本人は連絡先を教えてもよいとのことでしたので、載せました。メコン流域で何か協働事業をご検討の方は「メコン便り」を読んだということでコンタクトされたらよいと思います。

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 はじめまして。WWFメコンプログラムに勤務しております安田と申します。現在、ラオスの首都ビエンチャンを基盤に活動をしております。

 WWFメコンプログラムはカンボジア、ラオス、タイ、ベトナムの4カ国及び中国雲南省において、環境保全活動を行っています。この地域では、チベットに源流を発し、約4800キロメートル、6カ国を流れるメコン河、主としてベトナム・ラオスの国境にまたがるアンナン山脈、カンボジア及びタイの東北部にまたがる乾燥林といった、この地域に特有の自然が残っています。

 雨季のメコン河は、乾季と比べて約10倍の大きさに至り、毎年雨季に起きる洪水は、下流部メコンデルタに肥沃な土をもたらし、又魚の遡上にも重要な役割を果たしています。又、カンボジアの最大の湖トンレサップ湖は、通常はメコン河に注いでいますが、季節的にメコン河から毎年逆流を起こし、その流れにのって移動する魚が、カンボジア国内の内陸漁獲高の半分を誇るトンレサップの重要な生態系に貢献しています。
メコンの恵みは、その周辺に住む住民にとって大切な役割をもたらしています。

 このメコン地域は、ご存知のように急速な経済発展をとげており、それに伴い貴重な自然とその恵みに頼っている人々の生活に変化をもたらしています。東西・南北回廊と呼ばれるメコン圏をつなぐ主要道路に代表される多くの道路建設は、その建設工法如何によっては生態系を分断し、森林地帯へのアクセスを容易にすることによる違法伐採などの増加などの問題を引き起こしています。又、急速な経済発展による電力需要の増加により進む水力発電の建設、大規模農場の進出による森林伐採、土地の権利の買占め、環境への配慮を欠いた鉱山開発なども、メコンの自然とそれに頼る人々への生活に影響を与えています。

 WWFメコンプログラムでは、メコン地域の環境保全と開発の共存を目指して、様々な活動を行っております。メコン河に関する活動としては、メコン河流域の開発を、どのように環境配慮型にしていけるか、という取り組みの一環として例えば、いかにしてメコン河のダム開発を持続可能なものにしていけるか、という取り組み(Environmental Considerations for Sustainable Hydropower Development)をメコン河委員会及びアジア開発銀行と共同で行っています。又、メコンデルタの洪水地帯での道路建設を行うにあたり、洪水の重要な機能を損なわないための配慮型設計ガイドラインを、メコン河委員会及び国際機関とともに進めています。

 メコン地域での貴重種の保護活動も行っています。例としては絶滅の危機に瀕しているメコンの川イルカ(イラワジイルカ)、体長が3メートルにもなるメコン大なまず、アンナン山脈特有の生態系にのみ存在する哺乳類のサオラ、もっとも美しい霊長類といわれているドウクモンキーなどがあります。
(詳しくは、9月の日経新聞日曜版に4回特集でこれらの種に関する記事が出ておりますので、ご覧下さい)。

 これらの貴重種及び貴重な生態系の保護には、その自然に頼って暮らしている周辺住民との協力が欠かせません。このため、WWFでは広範囲にわたって、住民参加による天然資源管理、また天然資源に頼らざるを得ない貧困層への生計向上のサポートを行っています。

 WWFの活動は、各国政府、国際機関、及び様々な企業や団体との協力の下で展開されています。次回では、このようなパートナーシップの取り組みのひとつを紹介させていただく予定です。。
<Yumiko.Yasuda@wwfgreatermekong.org>
tel: +856-21-216080  fax: +856-21-251883
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